⑦ 紙の資料を「生きるデータ」に変える!ローコード/ノーコードDBの活用術

データに基づいた意思決定

🗄️ はじめに

中小企業の多くは、今でも顧客台帳、作業日報、設備点検記録などを紙のファイルやExcelのローカルファイルで管理しています。これでは、データがサイロ化し(孤立し)、分析に活用できません。

紙の資料やバラバラなExcelファイルを、全社員が共有でき、分析に使える「生きるデータ」に変えるには、専門的なプログラミング知識が不要なローコード/ノーコードデータベース(DB)ツールの活用が有効です。

1. ローコード/ノーコードDBとは?

プログラミングコードを書かずに、マウス操作(ドラッグ&ドロップなど)だけで、「社内の台帳」や「簡易的な業務システム」を作成できるツールです。

従来の管理方法ノーコードDBでの実現例
紙の日報タブレットから入力するデジタル日報フォーム
部署ごとのExcel全社共通で使える顧客管理データベース
FAXの注文書注文内容を入力・共有する簡易受注システム

2. 中小企業におすすめのツールとそのメリット

  • kintone(キントーン)Airtable(エアテーブル) などが代表的です。
  1. リアルタイムなデータ共有:全社員が最新のデータにアクセスできるため、「あのデータは誰のPCにある?」という確認作業がなくなります。
  2. 入力形式の統一(データ整形):システム側で入力必須項目や選択形式を設定できるため、前回の記事で解説したような「データの表記ゆれ」を防ぎ、最初からきれいなデータが自動で集まります。
  3. 分析への活用が容易:蓄積されたデータは、ツール内で集計・グラフ化できるほか、Excelなどにも簡単に出力でき、複雑な分析にそのまま活用できます。

3. 導入のポイント:完璧を目指さない

いきなりすべての業務をデジタル化しようとせず、最も非効率で、データがバラバラになっている業務を一つ選び、スモールスタートしましょう。

  • 例: まずは「営業担当者の日報」だけをノーコードDBに移行し、「どの商談にどれだけ時間をかけたか」のデータを蓄積することから始めます。

📌 まとめ

ローコード/ノーコードDBは、ITの専門知識がない中小企業でも、アナログな資料を「全社で共有し、分析に使える、生きているデータ」に変える強力なツールです。まずは最も手間のかかる「紙の台帳」からデジタル化を始めましょう。

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