🎯 はじめに
売上データやアンケート結果を単純に集計しただけでは、表面的な傾向しか見えてきません。データから「次の打ち手」となるヒントを見つけるには、「クロス集計」という手法が非常に有効です。
クロス集計とは、2つの異なるデータを掛け合わせることで、単独のデータでは見えなかった「隠れた顧客ニーズや傾向」を発掘する手法です。これも、Excelのピボットテーブルを使えば簡単に実行できます。
クロス集計の基本構造
| 変数1(横軸) | |||
| 変数2(縦軸) | Aの商品 | Bの商品 | 合計 |
| 顧客層X | 50人 | 10人 | 60人 |
| 顧客層Y | 30人 | 80人 | 110人 |
| 合計 | 80人 | 90人 | 170人 |
隠れたニーズを発掘するクロス集計例
- 「地域」×「売れた商品カテゴリ」
- 結果: A地域では「高額商品」の購入比率が高いが、B地域では「低価格のお試し商品」の購入比率が高い。
- 意思決定: A地域では高額商品の品揃えを強化し、B地域では低価格商品の広告を重点的に打ち出す。
- 「購入経路」×「リピート率」
- 結果: Web広告経由の顧客は多いが、リピート率が低い。紹介経由の顧客は少ないが、リピート率が極めて高い。
- 意思決定: Web広告は「新規獲得」に特化し、リピート率の高い「紹介」を増やすためのインセンティブ(優遇制度)を設計する。
- 「Web閲覧ページ」×「問い合わせ内容」
- 結果: 「製品仕様ページ」を長く見ている顧客ほど、「価格」に関する問い合わせが多い。
- 意思決定: 製品仕様ページに、他社比較のコストメリットを訴求する情報を追加し、問い合わせ前の不安を解消する。
実行のポイント
クロス集計を行う際は、「最も知りたい仮説」をまず立ててからデータを選択しましょう。漠然と組み合わせるのではなく、「この組み合わせで、A地域でB商品が売れない理由がわかるはずだ」といった仮説検証の視点が重要です。
📌 まとめ
クロス集計は、データに隠された「相関性」を発見し、次の施策のヒントを得るための強力なツールです。Excelのピボットテーブル機能をマスターし、「次の打ち手」の確度を高めましょう。次回の記事では、分析結果を効果的に伝える可視化の技術について解説します。


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