📝 はじめに
データ活用の最初の壁は、「何を、どう集めたらいいか分からない」ことです。いきなり全業務のデータを集めようとすると挫折します。
中小企業がデータドリブン経営を始めるにあたり、最も優先度が高く、意思決定に直結する「まず集めるべきデータ」を3つに絞ってご紹介します。
1. 顧客データ:なぜ「誰が買ったか」を深く知るべきか
- データ項目例:
- 基本情報: 氏名、連絡先、居住地域(市区町村まで)。
- 購買行動: 最終購買日、累計購買金額、購入商品、頻度。
- 属性情報: どこで当社を知ったか(Web、チラシ、紹介)。
- 意思決定への貢献:
- 集客戦略: 広告を打つべき地域や媒体が明確になる。
- 優良顧客の特定: 利益に貢献している顧客層を把握し、その層にリソースを集中できる。
- (関連ツール:Excel、簡易CRM)
2. 売上・利益データ:単なる「金額」以上の意味
- データ項目例:
- 分解: 「いつ(日・週・月)」、「誰が(担当者)」、「どこで(地域・店舗)」、「何を(商品カテゴリ)」の組み合わせ。
- 利益: 単なる売上ではなく、「商品ごとの原価率」や「粗利益」。
- 意思決定への貢献:
- 問題の特定: 「全体売上は横ばいだが、実は担当者Aの特定商品カテゴリだけが落ちている」といった隠れた問題を早期発見できる。
- 在庫最適化: 利益率の高い商品を優先して仕入れ・製造する判断ができる。
- (関連ツール:Excel、会計ソフト)
3. 顧客行動データ:離脱と興味の「兆候」を掴む
- データ項目例:
- Webアクセス: どのページが最も見られているか、どこでサイトを離脱しているか。
- チャット/問い合わせ: どの商品に関する問い合わせが多いか(テキストデータ)。
- SNS反応: どの投稿の「いいね」や「コメント」が多いか。
- 意思決定への貢献:
- 商品開発: 問い合わせの多い商品や、興味度が高い(閲覧時間が長い)商品に注力できる。
- Web改善: 離脱箇所を改善し、コンバージョン率を高められる。
- (関連ツール:Google Analytics、SaaSツールのログ)
📌 まとめ
データ活用は、「誰が、いつ、いくら、何を買ったか」という基本データを正確に記録するところから始まります。これらのデータが揃えば、次の記事で解説する「データ整理の基本ルール」に進む準備ができます。


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