「Chat GPT」「RPA」「クラウド会計」…新しいツールが出るたびに「うちも導入しなきゃ」と焦りを感じていませんか?しかし、多くの失敗事例が示す通り、ツールありきで導入しても業務は改善されません。重要なのは、「自社のどの業務のムダを、どのSaaSで解消するか」を明確にすること。その答えは、あなたが既に作成した業務プロセス図の中にあります。本記事では、プロセス図を最強の選定ツールとして使い、コストに見合う効果を出すためのSaaS選定の視点をお伝えします。
1. 「欲しい機能」ではなく「解消したいボトルネック」で選ぶ
ツール選定で失敗する最大の原因は、「あれもできる」「これもできる」といった機能に目がいってしまうことです。プロセス図を見れば、本当に解消すべき問題が分かります。
- 図の中で特定すべきムダ:
- 待ち時間が多いゲートウェイ(ひし形): 承認フローが遅い。→ワークフローSaaSが必要。
- 手作業でデータ入力するタスク(角丸四角): エクセルからの転記が多い。→RPAツールが必要。
- 部門をまたぐ矢印が多い: 情報共有に時間がかかる。→CRM/SFAツールが必要。
あなたは「欲しい機能」を探すのではなく、プロセス図が示す「ムダの解消」のために必要なSaaSを選ぶべきです。
2. プロセス図の記号で判断!どのSaaSカテゴリーが必要か?
プロセス図でよく使われる記号と、それに対応するSaaSのカテゴリーは以下の通りです。
| BPMN記号 | 解決したい課題 | おすすめのSaaSカテゴリー |
| アクティビティ(タスク) | 繰り返し手作業が多い | RPA、AI-OCR(自動読み取り) |
| ゲートウェイ(分岐) | 承認や判断に時間がかかる | ワークフロー、電子契約 |
| スイムレーン間の矢印 | 情報連携が煩雑 | CRM/SFA、クラウド情報共有 |
| イベント(開始/終了) | 顧客接点のデジタル化 | チャットボット、Webフォーム |
3. 【コスト対効果の算出】SaaSの月額費用 VS 削減できた「工数(人件費)」
SaaSは月額費用がかかるため、そのコストを上回る効果が必要です。
$$\text{費用対効果} = (\text{削減できた工数} \times \text{時給}) – \text{SaaS月額費用}$$
- 導入前の試算: プロセス図で、削減可能なタスクの実行時間と担当者の時給を基に、削減できる工数(時間)を試算しましょう。
- 無料トライアルの活用: 「そのSaaSを導入すれば、図のこのタスクが本当に消えるか?」を、無料トライアル期間中に試すことで、失敗のリスクを最小限に抑えられます。
【まとめ】ツールが目的化しない!プロセス図は「SaaSの地図」である
SaaSはあくまで「道具」です。プロセス図は、その道具をどこでどう使うべきかを示す地図です。この地図を頼りに、自社にとって最適なツールを選び、本当にコストに見合うDXを実現しましょう。


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