⑮ 会議が変わる!データをもとに「反対意見」を解消するファシリテーション術

データに基づいた意思決定

🗣️ はじめに

中小企業の会議では、「ベテランの経験論」と「若手の新しいアイデア」が対立し、感情的な議論になりがちです。データドリブンな会議とは、感情論を排し、共通の「データ」という土台の上で、議論を建設的に進めることです。

データ分析のスキルは、会議のファシリテーション(進行)スキルにも活かせます。

1. 議論を始める前に「共通のKPI」を再確認する

議論が始まる前に、「今回の施策は、このKPI(例: 優良顧客のリピート率)を向上させるための議論であることを忘れないでください」と全員に伝えます。

  • 効果: 意見が対立しても、議論の矛先が「誰が正しいか」ではなく「どうすればKPIが上がるか」という共通の目標に向かい、建設的になります。

2. 「反対意見」を「データ検証の仮説」に変換する

反対意見が出た場合、感情的に反論するのではなく、その意見を「検証すべき仮説」として扱います。

  • NG例: 「それは古い考え方だ。今はWeb広告が一番効果的だ!」
  • OK例: 「ご意見ありがとうございます。Aさんの『顧客紹介が一番確実だ』というご意見を、仮説Aとします。Web広告の提案を仮説Bとします。では、データはそれぞれの仮説について何を示しているか、見てみましょう。」

データが両方の仮説を裏付けない場合は、「どちらの仮説の検証に必要なデータが不足しているか?」を次のアクションとして明確にします。

3. 「感情的な言葉」を「具体的な数字」で質問する

会議で「最近の顧客は質が悪い」「この商品は評判が良くない」といった抽象的で感情的な言葉が出たら、すぐに具体的な数字に置き換える質問をします。

  • 質問例:
    • 「『質が悪い』とは、具体的にクレーム件数が何件増えたことでしょうか?」
    • 「『評判が良くない』とは、SNSのネガティブな言及が週に何回あるということでしょうか?」

データで裏付けられない言葉は、単なる意見として扱い、データで裏付けられたものだけを議論の対象とすることで、会議の時間を大幅に短縮できます。


📌 まとめ

データは、会議の場で最も公平な判断材料です。ファシリテーターがデータを活用し、冷静な議論の土台を作ることで、会議は「意見の押し付け合い」から「解決策の共同発見の場」へと変わります。次回の記事では、データを使ったリソースの最適化について解説します。

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