⑰ 業務プロセス図を元にマニュアル化!教育コストを半減させる手順

業務プロセスモデリング

「あの仕事はAさんにしかできない」「Aさんが休んだら業務が止まる」—あなたの会社のマニュアルは、何十ページもある文字だらけの文書になっていませんか?それでは読む方も教える方も大変で、結局「見て覚えろ」になってしまいがちです。業務プロセスモデリングの最大のメリットの一つは、複雑な業務を図で表現できること。この図をベースにマニュアルを作成すれば、教える時間も、覚える時間も半減できます。本記事では、BPMN図を「最強のビジュアルマニュアル」に変換し、教育コストを劇的に削減する具体的な手順を解説します。


1. 文字マニュアル VS プロセス図マニュアル:視覚化のメリット

従来の文字ベースのマニュアルには、「全体像が見えにくい」「読んでもらうのに時間がかかる」という大きなデメリットがあります。

項目文字マニュアルプロセス図マニュアル(BPMN)
全体像の把握困難。何のための作業か分かりにくい。容易。フロー全体と担当者が一目で分かる。
部門間の連携記述を探す必要があり、理解が遅れる。スイムレーン間の矢印で、連携が一目瞭然。
新入社員教育ベテランが口頭で補足する必要がある。図が共通認識となり、教える工数が半減。

2. BPMN図をマニュアル構造に変える「2ステップ設計」

BPMN図をマニュアルの目次として活用する、シンプルかつ効果的な設計です。

  • ステップ1: 全体図で業務の流れと担当者を把握させる
    • 新入社員にはまず、プロセス図(BPMN)を見せ、業務の全体像と自分の役割(スイムレーン)を理解させる。これにより、今行っている作業がプロセスのどこに位置するのかを把握できます。
  • ステップ2: 各タスクの詳細を補足説明として紐づける
    • 図の中の一つ一つのタスク(アクティビティ)をマニュアルの項目とし、具体的な手順(操作方法など)を記述します。

3. 【実践】マニュアル作成時に「何を」書くべきか?(動画や画像との連携)

各タスクの詳細マニュアルに含めるべき情報は、「タスクの内容」だけではありません。

  • 判断基準: そのタスクを実行する際の「判断基準」(例:「請求額が100万円以上ならB部長に承認を求める」)を明確に記述します。これはゲートウェイ(ひし形)をスムーズに通過させるための情報です。
  • 使用するシステム: そのタスクで使うシステムやツール(例:クラウド会計、CRM)を明記します。
  • 例外処理: 一般的なフローから外れた場合の対応方法も、タスクごとに明確にします。
  • ビジュアル情報: 各タスクの実行方法を解説したスクリーンショット短い操作動画を埋め込むことで、視覚的な理解を深めます。

【まとめ】「見て覚える」から「読んで理解する」教育への変革

業務プロセス図をマニュアルの核にすることで、教育の属人化を防ぎ、教育コストを半減させることができます。新入社員がすぐに戦力になる「生きたマニュアル」を作りましょう。

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