⑧ 【分岐徹底解説】プロセスを迷わせない!ゲートウェイの種類と使い分け

業務プロセスモデリング

業務には必ず「Aの場合はBのタスクへ、Cの場合はDのタスクへ」といった判断や分岐が発生します。この意思決定のロジックを明確にするのがBPMNの「ゲートウェイ(ひし形)」です。しかし、このゲートウェイの使い分けを間違えると、図は論理的に破綻し、誰もプロセスを正確に実行できなくなります。本記事では、中小企業で最もよく使う排他ゲートウェイ(XOR)並行ゲートウェイ(AND)を中心に、プロセス図を「迷わせない」ための分岐の書き方を徹底解説します。


1. ゲートウェイが担う役割:業務プロセスの「交通整理」

ゲートウェイ(ひし形)は、業務の「流れ」をコントロールする役割を担います。ここが曖昧だと、担当者は次のタスクに進む際、上司に判断を仰ぐことになり、時間のムダが発生します。

2. 最もよく使う!「どれか一つだけ」に進む排他ゲートウェイ(XOR)

排他ゲートウェイ(ひし形の中に「X」が書かれていることが多い)は、複数の選択肢のうち、一つだけに進む場合に使います。

  • 業務例: 「顧客の取引実績はどうか?」
    • A: 新規顧客 → 信用調査へ
    • B: 既存顧客 → 信用調査をスキップ
  • 重要: 排他ゲートウェイから出る矢印(シーケンスフロー)には、必ず「条件」を明確に記述します(例:「新規顧客の場合」「既存顧客の場合」)。

3. 同時に進む!「並行タスク」を実現する並行ゲートウェイ(AND)

並行ゲートウェイ(ひし形の中に「+」が書かれていることが多い)は、複数のタスクを同時に実行できる場合に使います。

  • 業務例: 「製品の梱包」と「納品書の作成」
    • この二つのタスクは互いに依存せず、同時に実行できるため、並行ゲートウェイで処理を分けます。
  • 注意: 並行ゲートウェイで分けたタスクは、必ず並行ゲートウェイで合流させなければなりません。

4. 【間違いやすい例】ゲートウェイを使わずに複数の矢印を出すとどうなるか?

(※ゲートウェイを使わず、タスクから複数の矢印を出すと、「全ての矢印先のタスクが実行される」と解釈されるなど、誤解を生むことを解説。)

【まとめ】ゲートウェイは業務の「判断基準」を明確にし、属人化を防ぐ

ゲートウェイを正しく使うことは、業務の判断基準を標準化することに繋がります。あなたのプロセス図を「迷いのない設計図」に変えましょう。

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