⑦ 「誰がやるか」を明確に!スイムレーンとプールを使った部門の役割分担の書き方

業務プロセスモデリング

「この作業、誰の担当だっけ?」「この情報、どの部署に確認すればいい?」—これは中小企業でよくある「責任の曖昧さ」が原因の時間のムダです。BPMNでは、この「誰がやるか」を明確にするために「プール」と「スイムレーン」という仕組みを使います。図に描くだけで、部門間の連携や責任範囲が一目瞭然になり、ムダな確認作業が激減します。本記事では、この「スイムレーン」と「プール」の概念と、プロセス図での具体的な配置方法を解説します。


1. プールの役割:業務を遂行する組織の「境界線」

プールは、プロセスに関わる最も大きな組織単位を表します。

  • 例: 顧客、自社、サプライヤー、協力会社など。
  • 重要: 一つのプロセス図の中で、自社顧客を別のプールとして分けて描くと、顧客との接点(サービスの範囲)が明確になります。

2. スイムレーンの役割:プール内の具体的な「担当者・役割」

スイムレーンは、プール(組織)の中をさらに分割し、具体的な役割や担当部署を表します。

  • 例: 営業担当、経理部、倉庫担当、カスタマーサポートなど。
  • 原則: BPMN図の中のアクティビティ(タスク)は、必ずいずれかのスイムレーンの中に配置し、「誰がそのタスクを実行するのか」を明確にします。

3. 【実践】スイムレーンをまたぐ矢印(メッセージフロー)が意味するもの

スイムレーンをまたいで描かれる点線の矢印は「メッセージフロー」と呼ばれ、情報やモノの受け渡しを意味します。

  • 意味: 「この部門からあの部門へ、情報(メール、伝票など)が送られた」
  • 改善のヒント: このメッセージフローが多いほど、部門間の連携が多いことを示します。このメッセージフローの数や複雑さこそが、ムダな連携や確認作業の温床である可能性が高いです。

4. 【まとめ】スイムレーンで役割分担を明確にし、責任の押し付け合いを解消する

BPMN図にスイムレーンを描くことは、「これは誰の仕事か」という曖昧さを解消し、責任の押し付け合いを防ぎます。部門間の協力を促す「共通のグランドルール」として活用しましょう。

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