⑭ 「データが示す結論」に従う勇気!意思決定の際に陥りがちな3つの罠

データに基づいた意思決定

🤯 はじめに

「データ分析の結果、今のやり方ではダメだと分かった。でも、長年やってきたやり方を変えるのは怖い…」

データドリブン経営の最も難しいところは、分析結果ではなく、「データが示す結論」に反する意思決定をしてしまう人間の思考の癖、つまりバイアス(偏り)です。ここでは、意思決定の際に陥りがちな3つの罠と、その回避策をご紹介します。

1. 確証バイアス:「自分の意見に合うデータだけ採用する」

  • 罠の内容: 自分自身が「これが正しいはずだ」と思っている意見を裏付けるデータばかりを探し、都合の悪いデータを無意識に無視してしまう。
  • 回避策: 意思決定の前に、「このデータは私の意見と反対の結論を示していないか?」と、あえてネガティブな視点でデータを見直す時間を設ける。また、複数の担当者に同じデータを見せて、異なる結論が出ないか検証する。

2. アンカリング効果:「最初に見た数字に引っ張られる」

  • 罠の内容: 最初に提示された数字や過去の成功体験の数字(アンカー)が頭に残り、後の判断に影響を与えてしまう。
  • 回避策: データは必ず、複数の期間、複数の切り口で比較し、「最初に見た数字」以外の視点を意識的に増やしてから判断する。例: 「過去最高売上」ではなく、「業界標準値」や「競合の成長率」も参考にする。

3. サンクコストの誤謬:「これまでかけた費用を惜しむ」

  • 罠の内容: すでに多額の資金や時間を投入してしまったプロジェクト(サンクコスト=埋没費用)について、「もったいないから」という理由で、データで失敗が明らかなのに撤退できない。
  • 回避策: 「今から、このプロジェクトに投資する価値があるか?」という未来志向の視点で判断し、過去の投資額は完全に無視する。データが撤退を促すなら、速やかに損切りし、リソースを成功の見込みのある施策に回す勇気を持つ。

📌 まとめ

データドリブンな意思決定は、単なる分析スキルではなく、「感情や慣習を排し、客観的事実に従う勇気」が必要です。バイアスを認識し、データが示す結論を冷静に受け入れる訓練をしましょう。次回の記事では、データで会議を効率化する方法を解説します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました